「福井人」
福井地方の人々に出会う旅

福井人 no.27

長襦袢で着飾った男女が 極寒の勝山を熱くする

勝山左義長ばやし保存会

色とりどりの長襦袢(ながじゅばん)で着飾った男女が、三味線や笛、鉦(かね)によるお囃子(はやし)に合わせて軽快なリズムで太鼓を叩く。観客の笑いを誘うのは、打ち手のどこかコミカルな表情と動きだ。300年以上も前から行われていたといわれる、勝山左義長(さぎちょう)まつり。全国から12万人もの観光客が集まる、福井を代表する奇祭だ。「冬の極寒のときに薄っぺらい長襦袢を着て太鼓を打つ。まるで我慢大会のようですが、勝山の人間は寒くったってへっちゃらだ!という心意気を見せる場でもあったんです」とは勝山左義長ばやし保存会の木村照雄会長。子どもの頃からずっと祭に慣れ親しんできた筋金入りだ。勝山市内では保育園から中学まで、左義長太鼓や左義長ばやしを授業として取り入れており、やぐらにあがる太鼓打ちは子どもたちのスーパースター。数年前から木村さん自ら高校へ指導に出向き、高校生も定期的に参加するようになったという。「勝山が最も熱くなる左義長まつりをぜひ多くの人に見てほしいですね」。