三陸人 no.44
髙橋 コウ
ひっつみ汁とは岩手の郷土料理で小麦粉を練って固めたものを汁に入れたもの。大船渡屋台村の名物母さん、髙橋コウさんの“ひっつみ汁”は野菜がたっぷりでほっこり和むおいしさだ。津波で自宅が流され、長男のいる東京に移り住んだものの大船渡が恋しかった。仮設商店街に出店する話が舞い込んできて、「料理上手なんだから、やってみたら?」という息子の後押しもあり、長女の恵美さんと店を始めた。専業主婦だったため外で働くのは未経験。今まで日常的に作ってきた、肉じゃがやサバの味噌煮、煮しめなどの家庭料理をメニューにのせたところ、 「おふくろの味が食べたい」と常連客が集まる店に。「“おいしい”って遠くから来てくれるお客さんもいてうれしい。毎日楽しくて」。今ではサイフォンのコーヒーを入れるのも手慣れたものだ。現在、88歳。12月に屋台村の移転が決まっているが、店は続けていきたいと話す。癒し効果ありの、コウさんの笑顔とおいしいご飯に出会いにいきたい。
住所:岩手県大船渡市大船渡町
野々田19-1 B-102
電話:0192-27-7027
アクセス:大船渡駅から徒歩10分
営業時間:昼 11:30~14:30
夜 17:00~23:00
定休日:月
料金:えんがわ定食 ¥650