「三陸人」
三陸地方の人々に出会う旅

三陸人 no.30

ふるさとは自分たちでつくる! 地域再建に奮闘する、名物女将

岩崎 昭子

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魚介類や野菜など地元の食材を使った夕食


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津波避難場所に指定されていた宝来館。高台にあったこの旅館は、誰もが「ここは大丈夫」だと思った。しかし津波は2階部分まで浸水。女将である岩崎昭子さんは宿泊客を助けに行き、一時は波に飲まれたものの一命をとりとめた。旅館の再建は無理だとあきらめていた。「避難所にいたら電気工事の人たちに、“宝来館に寝かせてけろ”と頼まれた。こんな壊れた旅館でも必要とされるのか、と感情を突き動かされた」。求められることが生きることだったと女将は話す。さまざまな人たちに助けられて、2012年1月に再開。今では日本全国を飛び回り、防災のために体験談を語り、被災地の子どもたちの支援に力を注ぐ毎日だ。大槌町から釜石市の中間にあるこのエリアは、豊かな森、海、川、広い空が広がる自然あふれる土地。住む人たちも人情に厚い。この地域を、「どんぐりウミネコ村(仮想村)」として、地域資源を活かす復興ツーリズムも行う。「自分のふるさとは自分たちがつくる」。女将の決意は固い。

宝来館

住所:岩手県釜石市鵜住居町20-93-18
電話:0193-28-2526
チェックイン/アウト:15:00 / 10:00 
料金:1泊2食¥8,000〜 
アクセス:釜石駅から車で25分