福井人 no.24
三好 良久 典坐御老師
ゴマを丁寧にすりつぶして作られる名物のゴマ豆腐
ある昼食の精進料理の膳
永平寺伽藍の最古の建物。修行僧が正式に入門する永平寺の玄関に当たり、下層には四天王を祀り、上階には五百羅漢を安置する
鎌倉時代に道元禅師が開いた曹洞宗の大本山、永平寺。全国から入山した約200人の修行僧が、早朝の起床にはじまり、勤行(ごんぎょう)、坐禅、行発鉢(ぎょうはつ)など厳しい修行に励んでいる。修行僧の三時の食事を司る要職 “典坐”(てんぞ)を務めるのが、三好良久典坐御老師(てんぞごろうし)だ。760年前に道元が記した『典座教訓』(てんぞきょうくん)は、炊事という日常的営みの中の仏道修行を語った教本。野菜は根っこまで余すことなく使用し、手順をおろそかにせず、心をこめて丁寧に調理をする教えなどが書かれている。「どんな食材を調理するときでも、すべての命に感謝する。精進とは、一生懸命と同義。いつでも一番のごちそうは誠心誠意がこもった料理なんです。愛情たっぷりの母の料理を食べていれば、現在問題になっているいじめの問題もないはずです」と三好典坐御老師。料理の指示を出しながら、真面目な顔でジョークを交えるなどチャーミングな一面も。坐禅などに加え、精進料理もいただくことができる、3泊4日の参禅(さんぜん)修行をぜひ体験してみたい。
住所:永平寺町志比5-15
電話:0776-63-3102
営業時間:8:00〜16:30
料金:拝観料 ¥500
アクセス:えちぜん鉄道永平寺口より
バスで13分
永平寺門前下車すぐ
JR福井駅より車で25分