「三陸人」
三陸地方の人々に出会う旅

三陸人 no.53

津波の到達点を桜でつなぎ 先人の警告を未来に残す

岡本 翔馬

DSCN4025

2013年の春に咲いた桜の花。陸前高田の町に桜のラインを描くのが夢だ


PageTop

「陸前高田の歴史をひも解くと津波に対しての先人の警告が多く残されていた。そのことに気付いていれば多くの命が救えた」。その悔しさ、悲しみを繰り返さないために、津波の到達点を桜の木でつなぐ活動を行うNPO「桜ライン311」。今回の震災を風化させないために、また桜の木が避難場所の目安になることが目的だ。代表の岡本翔馬(しょうま)さんは東京の建築業界に勤めていたが、震災を機にUターンした。ボランティアと共に植樹した桜は約520本。目標は17000本だ。活動の支持者は多いが、市の復興途中の段階で場所の確保が難航しており、それが目下の課題だ。市内の団体の連携、協働を図る目的のために結成された「陸前高田市まちづくりプラットフォーム」の委員長も務める岡本さん。スラッとした風貌からは想像つかないが、夏祭り「うごく七夕」では和太鼓を2時間以上叩き続けるという熱い一面も。「春になったら、ボランティアの方たちが植えた桜を見に訪れるようになればうれしい」。

桜ライン311

WEB:http://www.sakura-line311.org/
電話:0192–47–3399