「三陸人」
三陸地方の人々に出会う旅

三陸人 no.50

職人史を究める気仙大工元職人

平山 憲治

DSC_4809_気仙大工

長安寺山門。
寛政10年、小友村の松山五郎吉における代表作。
気仙地方の建築を象徴する楼門として有名。

スクリーンショット 2015-09-30 22.08.29

スクリーンショット 2015-09-30 22.08.58

気仙大工左官の匠の技を伝承、保存するために建設された気仙大工左官伝承館

スクリーンショット 2015-09-30 22.08.36


PageTop

優れた技能とデザイン、丁寧な仕事ぶりが高く評価され、江戸後期から昭和中期にかけて日本各地で活躍した気仙大工。通常の大工仕事に加え、建具、家具、彫刻まで行っていたというから驚くべきマルチプレイヤー集団だ。「独自性を重んじるため同じものは作らない。大工のプライドですね」と元大工で、気仙大工の研究者でもあり、関連本を多く出版している平山憲治さん。大工だった現役時代、先輩たちから伝えられた気仙大工の職人史に興味を持ち、独自で研究をはじめた。江戸時代の海運の立役者である千石船気仙丸は、気仙大工の伝統の技を駆使した芸術性の高い船。その復元にも関わり、平成3年に完成。幸運にも津波の難を逃れて、現在は赤崎町の蛸ノ浦漁港に係留されている。「もうそろそろ引退したいと思っているんですが、頼まれごとが多くてやめられんのです(笑)」。平山さんの目下の悩みは、気仙大工の後継者不足だ。気仙が誇る、素晴らしい伝統文化が継承されることを切に願う。

気仙大工左官伝承館

住所:岩手県陸前高田市小友町茗荷1-237
電話:0192-56-2911
営業時間:9:00〜16:00
定休日:水
料金:無料
アクセス:陸前高田駅から車で30分