三陸人 no.35
久保秀俊・節子
店に入るなり「ナポリタンちょうだい!」という客が後を絶たないスナック999(スリーナイン)。「うちは食堂じゃないって!」とマスターの久保秀俊さん(右)は笑う。店を再建したのは、震災の年の8月。全国紙の新聞に奥さんの節子さんが登場したところ、和歌山県の同姓同名の方から見舞金が届いた。「ありがたいですよねぇ」。震災前よりも人と人とのつながりを大事にする人が増えたと話す。マスターは釜石市民劇場の事務局長兼演出家。2年ぶりの復活公演では仮設住宅で暮らす人々の心の交流を描き、公演後、会場は感動の渦に。演劇の話もじっくり聞いてみたい。