「三陸人」
三陸地方の人々に出会う旅

三陸人 no.2

あの日あの瞬間を決して風化させない

松本 勇毅、澤口 強

ひだり1

      たろうホテルの松本勇樹社長

右1

       宮古観光協会 澤口強さん

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たろう観光ホテルから見た海岸の風景

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3階の客室。ここまで浸水した


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ひと際目を引く1〜2階部分の鉄骨がむき出しになった建物。たろう観光ホテルだ。現在は津波の恐ろしさを後世に伝える「学ぶ防災」スポットとなった。震災時、松本勇毅(ゆうき)社長は、ホテルの窓から津波が押し寄せる瞬間を手持ちカメラで撮影していた。映像には、松本さんが「津波来たよー、早く逃げてー!」と道を歩くおばあさんに叫ぶシーンもある。瞬く間に10メートルもの高波が車も建物も人間も飲み込んでいく。まさに壮絶。窓から見える穏やかな海が豹変する瞬間を映像で見て、ショックで泣き出す参加者もいるという。この映像はマスコミ未公開だ。「この場所で起きたことをこの場所で感じて欲しい。ホテルをこのまま残すことが、私たちの命を守る対策なんです」と松本さん。宮古観光協会の「学ぶ防災」担当の澤口強さんは内陸出身だが、震災時、配送の仕事で田老(たろう)地区を訪れていた。「運命的なものを感じて今の仕事に就きました。1人でも多くの人に訪れてもらって防災の意味を考えて欲しい」。

たろう観光ホテル(「学ぶ防災」でまわる場所)

住所:岩手県宮古市田老野原80-1
電話:0193-77-3305
ツアー所用時間:30分~1時間
料金:ガイド1名につき¥4,000
アクセス:宮古駅から車で30分