「福井人」
福井地方の人々に出会う旅

福井人 no.51

紙漉きの原点を守り続ける 人間国宝

岩野 市兵衛

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紙の原料としてはもっとも繊維が長い楮。楮の紙は強くなかなか破れない


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和紙の原点ともいえる楮(こうぞ)100%の紙を漉(す)き続けて60年。九代目、岩野市兵衛さんの毎日は、今なお紙漉きとともにある。「市兵衛さんの紙じゃないと」という客は後を絶たないが、本人は「ただ手漉きの基本をやってきただけ」と至って謙虚。2000年に人間国宝の指定を受けるも、里では変わらず親しみを込めて「いちべえさん」と呼ばれる愛嬌あるご老人。紙の原料である楮は、煮る、叩く、チリを取るなど下処理の仕事が多い。その大変さははかり知れないが、淀みなく動くその手つきはあまりに自然で、紙漉きはもはや市兵衛さんの体の一部のよう。その姿は尊い。

会える場所

岩野市兵衛さん

住所:越前市大滝町31-7 

電話:0778-42-0605 

定休日:不定休 

アクセス:JR武生駅より車で25分

※越前和紙の里パピルス館(spcial no.15)にて購入可。和紙は直接注文もできる