三陸人 no.69
村岡 賢一
行山流水戸辺鹿子躍保存会の伝承活動
春はワカメ、夏場はホヤ、冬場が牡蠣と養殖業を営む村岡賢一さん。津波でこの戸倉・水戸辺地区の家も船もほとんどが流された。この地域は昔から続く、契約講(村落内の集団)の絆が深く、行事など何でも力を合わせてきた。震災後も団結して復興活動を行っている。「自然によって生かされている。津波も試練なんだと。なおさら自然をいたわらないとと、牡蠣の密殖をやめました」と村岡さん。震災後、50年前にはたくさんいた、なまこが戻り、海が前より若返ったのを実感しているという。この辺りは伝統芸能の1つである、鹿子踊(ししおどり)が盛んだ。村岡さんは行山流水戸辺鹿子躍保存会の会長でもある。「何百年も前から、鹿子躍は魂の供養のため、子孫繁栄のために踊られてきたんです」。中学生、高校生に指導をし、日本各地や海外でも公演を行っている。村岡さんから絶えず伝わってくるのは、郷土を思う気持ちだ。「地域の人が一刻も早く仮設住宅から出られて、それぞれの城に戻れることを願っています」。
住所:宮城県南三陸町志津川字御前下51-1
電話:0226-47-2550
営業期間:5月中旬~9月下旬
料金:小中学生¥2,500
高校生以上¥3,000
アクセス:志津川駅から徒歩15分