「三陸人」
三陸地方の人々に出会う旅

三陸人 no.75

ネットを駆使して牡蠣を ブランディングする脱サラ漁師

阿部 貴俊

牡鹿半島の牧浜(まきのはま)という小さな港の集落で生まれ育った、阿部貴俊さん。父は牡蠣の養殖を営む漁師だが「漁師じゃ飯は食えない」と言われ続けた。大学を卒業後、東京の大手企業に就職し、営業マンとして活躍。40歳で管理職となった時に震災が起こった。「すべての牡蠣が流された。なんとかしなければと思った」。会社に辞表を出し、故郷に戻り、脱サラ漁師に。自然に翻弄される漁師の苦労を消費者に知ってもらうことで商品価値をあげ、適正の価格で購入してもらおうとインターネットやFacebookで毎日の牡蠣や漁の様子を情報発信し、関東でイベントを開催。牧浜で体験ツアーも行った。スタートして2年目。徐々にだが成果が現れてきている。また、春の真牡蠣を完熟牡蠣と名付け、販売も開始した。「実はこの時期の真牡蠣が一番甘みがあってうまいんです」。次々と常識を覆す、新たな試みに挑戦する阿部さん。夢はいつの日か、NYのオイスターバーに牧浜の牡蠣を並べることだ。

MAKINOHAMA幸せ牡蠣ものがたり

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