地方の人々に出会う旅

新宮人 no.26

古の時代に思いを寄せる ─ 熊野川舟下りの女性語り部

西浦 康代

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昔、高貴な人たちが川舟下りを楽しんだ時代に思いをよせて、ゆったりとゆるやかに川を下っていく。

昼嶋

木々の葉の色の変化を見たり、水鳥を眺めたり。川の水の音や鳥の声に耳を澄ましたい。

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篠笛を吹く西浦さん。楽器は今までやったことがなかったが、猛特訓したという。西浦さんは熊野古道のガイドも行っている。

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「和歌山県のプレデスティネーションキャンペーン」の一環として、「熊野比丘尼の絵解き列車」として電車の中で新宮参詣曼荼羅(まんだら)絵解きを披露。


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「左側にある島が見えますか?大鬼の背骨が横たわっているように見えるので骨嶋と呼ばれています」。

 

熊野川を下りながら、よく通る声で岩の説明をする西浦康代さん。川舟下りの語り部になる前は、東京のテレビ局でタイムキーパーとして活躍。結婚を機に新宮へ戻った2004年は、熊野古道が世界遺産に認定されたばかりだった。

 

熊野古道についてあまり知識のなかった西浦さんは、市が主催したガイド育成講座を興味本位で受講。講座の一環で浮島の森を案内する先輩ガイドを、観光客に混じって見学した。小さい頃から慣れ親しんでいた場所なのに知らないことばかり。もともと、小さい頃から新宮の自然が大好きだった西浦さんは、調べていくうちにどんどんのめり込んでいった。

 

ガイドの仕事を始めると、お客様が西浦さんの説明を喜んでくれるのがうれしかった。翌年、熊野川舟下りの語り部を募集しており、実際に川舟下りを体験。

 

「川を下りながら、風にあたっているだけで気分がいい。こんな贅沢なことがあるのかって感激しました」。昔の高貴な人たちも、熊野本宮大社から熊野速玉大社までゆったりと景色を楽しみながら川舟下りを楽しんだのだろう。ありのままの自然を楽しんでほしいと話す。

 

「私はお客様への説明は、しゃべりすぎないように気を付けています。今日はシロサギやアオサギ、カモに出会いましたが、毎回、出会うとは限りません。風景も変わります。自然にはかなわないと思っています」。

 

旅も終盤になると、西浦さんは篠笛を取り出し、曲を奏でてくれる。美しい音色が谷間にこだまし、神秘的な雰囲気を醸し出す。涙を浮かべるお客様もいるそうだ。

 

「新宮にいながら、全国からいらっしゃるお客様とお話ができるのがとても楽しいですね。周りに許してもらえる限り、おばあちゃんになってもガイドを続けられるといいなぁと思っています」。

熊野川川舟センター

住所:新宮市熊野川町日足350
熊野川総合開発センター内
電話:0735-44-0987
WEB:http://kawabune.info
*カーナビ利用の場合は、隣接の熊野川行政局又は行政局の電話番号0735-44-0301で検索を推奨

「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
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新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
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推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。

その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。

女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。

「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。

新宮市魅力発信女子部 一同