地方の人々に出会う旅

新宮人 no.25

畑からパンへ ─ 自家栽培の小麦にこだわる、パンむぎとしの看板娘

林 暁子

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卵を使用しない、モチモチのベーグルも人気。

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季節の野菜を使った自家培養100%天然酵母のフォカッチャ(左)と、時々メニューにお目見えするガトーショコラ(隣のBookcafe kujuのメニュー)。

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自分たちで育てた小麦を一部使用。いつかはすべて自家栽培の小麦でパンを焼きたいと話す。

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2011年の紀伊半島大水害で浸水し、取り壊しが決まっていたが現在はカフェとパン屋として再利用。


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いつか田舎で農業を生業にしたいと思っていた、林暁子さん(写真左)。

 

東京でOLをしていたが、会社を退職。滋賀県の有機農業家でウーファー(*注1)をしていた時に、パン職人の修司さん(写真右)に出会い結婚。修司さんは自分で育てた小麦で作ったパン屋をやりたいという夢があった。熊野川町の天然酵母のパン屋さんで手伝うことになり、無料で貸してもらえる畑が見つかったため、2011年の8月に他の地で農業研修をしていた暁子さんも移住。ちょうど、廃校になった九重小学校を再利用する計画が進んでいたところでもあり、そのプロジェクトの発起人であるNPO法人「山の学校」の代表・柴田哲弥さんから「店を出さないか」と声を掛けてもらった。

 

「建築士の友人、大工の友人、柴田さん、地域おこし協力隊の方々と共にみんなで手作りしました。パンを焼く石窯は夫の手作り。11月にお店がオープンしたものの、1カ月半で石窯が壊れてしまい、再オープンできたのはその3カ月後でしたね」。

 

月、火曜日は畑の仕事やDIY、時に休息日とし、水〜金曜日はパンの仕込み、そしてオープンするのは週末のみ。育てた小麦や季節の野菜をパンに生かし、薪で焼いているため、一口食べると香ばしい香りが口のなかにいっぱい広がる。今ではお客さんが遠方からも買いに訪れるという人気ぶりだ。「畑に関しても地元の農家さんたちが応援してくれるので、本当にありがたいんです」。この土地の豊かな自然のなかで生活できること、住む人たちのやさしさに触れられることにとても感謝している、と笑顔で話す。

 

隣のBookcafe kujuで出される、暁子さんお手製のチーズケーキも絶品と評判。ぜひ食べに出掛けてみたい。

 

(*注1) WWOOFは農業の知識を得る目的で有機農家などで働く代わりに、食事、宿泊場所を得られるシステム。ウーファーはそのシステムを利用して働く人を指す

パンむぎとし

住所:新宮市熊野川町九重315

電話:0735-30-4862

(Bookcafe kujuと共用)

営業時間: 土日祝12:00-18:00

(売り切れ次第終了)

休業日:月~金曜日

WEB:http://www.mugitoshi.com/

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新宮市魅力発信女子部 一同