新宮人 no.27
村田 裕美子
「むらたこスペシャル」は、「シンプルなソース」「はーくしょんだいまおう」「つけつけたこちゅ(ポン酢)」の3種類セット。
たこ焼きをひっくり返す瞬間は真剣そのもの。手際よくクルクルとたこ焼きを丸くしていく。
世界遺産、熊野速玉大社のすぐ隣にある川原家横丁。商店や飲食店が立ち並ぶ中にある一軒が、たこ焼き専門店「むらたこ」だ。店主の村田裕美子さんがたこ焼き店を始めたのは1997年のこと。突然、思い立ってたこ焼き器を買い、家でせっせと独学で研究を重ね、「かあちゃん、新宮一のたこ焼き屋になったるでー!」と、嫌がる多感な高校生の息子を説き伏せたというから、かっこいい。
店にはひっきりなしにお客が訪れ、親子連れや女子高校生、おばちゃんたちが村田さんに声を掛けていく。「今、注文したら夕方までに作っておいてくれる?」「今日は混んだーるね、また来るわ」──。そんなお客さんに村田さんはいつだって笑顔で応える。たこ焼きを焼きながら、常に口も動かしている。女子中高校生たちから、恋愛や将来について相談を持ちかけられることも多いそうだ。相手が間違っていたら、ちゃんとしかる。「きついこといって、泣かすこともあるよ。通ってきていた子どもたちが大人になって、赤ちゃんを連れてきて、その子が歩くようになって“むらたこ〜”って話し始めて(笑)。それが一番うれしいね」。たこ焼きは外はカリッと中はフワッと小ぶりサイズ。
決定的に他の店と違うのは、そのメニュー名だろう。「はーくしょんだいまおう」は胡椒味、「お蔵入り」はオクラが入っていて、「すっぴん」はソースなし、「すっからかん」は天かすのみ、「ツンデレ」はわさび入り、「べっぴん(別品)」はたこが嫌いなお客さんのために発案した、ウインナーとチーズ入り。
おいしいたこ焼きを食べながらの村田さんとのおしゃべりが楽しい、憩いの場所だ。
「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
各地域に住まう人々をフィーチャーしたガイドブック、
Community Travel Guide(コミュニティトラベルガイド)
新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
Community Travel Guide
「新宮人」
は、書籍版コミュニティトラベルガイドの世界観を踏襲しながらも
「地域で働く、地域に住まう“女性”」で構成される
新宮市魅力発信女子部が「地域で活躍する魅力的な“女性”」に
フォーカスし、オンラインガイドブックを制作、発展させていく
プロジェクトです。
新宮人で紹介している女性たちは、新宮市魅力発信女子部のメンバーが
推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。
その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。
女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。
「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。
新宮市魅力発信女子部 一同