地方の人々に出会う旅

新宮人 no.12

おふくろの味を継承 ─ 新宮のかあちゃん

竹田 愛子

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めはり定食。おそうざい3品とみそ汁がつく。

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めはりずしを作るお母さん。手際よく、ごはんに高菜を巻いていく。

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茶がゆ。お茶を煮だして洗った米を入れ煮だす。味付けは塩だけだ。


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新宮に来たらぜひ食べてほしい郷土料理の一つ、めはりずし。高菜の漬物でくるんだおにぎりのことで、家庭ごとにおふくろの味がある。

 

「かあちゃんの店」のめはりずしは、4〜11月は味噌に漬けた高菜、12〜3月は塩漬けの高菜を使い、時期によって味わいが異なる。味噌漬けはちょっぴり酸味があり、後を引くおいしさだ。地元のお母さんたちが作るこの味のファンが多く、14時ぐらいには売り切れてしまう。そのほか、忠度もち(草もち)、ゆずみそ、コロッケ、シフォンケーキ、野菜、お茶などが店頭に並ぶ。店内ではめはりずしはもちろん、うどんや茶がゆなどの定食が食べられ、お昼時はいつだって満席だ。ほうじ茶で煮だす、茶がゆもこの地域ならでは。

 

「茶がゆはね、子どものころは毎日食べていました。学校から帰ると、“茶がゆ炊いとけよ〜”って親に言われて炊いていたって聞きますよ。うちはばあちゃんがやってくれていたわね。サツマイモを入れたりして、甘い茶がゆが子どものころは好きでしたね」と竹田愛子さん(写真右)。

 

竹田さんは「かあちゃんの店」を運営する、熊野川産品加工組合の組合長だ。田辺市本宮町に続く道沿いにあるため、常連客に加えて観光客も多く訪れる。

 

「お客さんと話すのが楽しいね。家におっても農業したり、主人とももう、あんまり話さなくなるし(笑)、みんなとわいわいやっているのが一番楽しいね。アホ言いながら、なんでも言い合える仲間っていいものですよ」。

 

2011年の紀伊半島大水害で店が流され、プレハブの仮店舗で営業を続けていたが、2015年3月に再オープン。「再オープンした日は、たくさんの人が来てくれて、うれしかったですね」。

 

新宮のおふくろの味が堪能できる、必ず訪れたい一軒だ。

かあちゃんの店

住所:新宮市熊野川町田長54−1

電話:0735-44-0480

営業時間:9:00~16:00

休業日:第二水曜日

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新宮市魅力発信女子部 一同