地方の人々に出会う旅

新宮人 no.11

おもてなしが評判な知る人ぞ知る民宿 ─ 百福(ももふく)の女将さん

中澤 智恵子

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上海ガニと同種類のモクズガニ。透明度の高い赤木川で育っているため、雑味のない味わい。ボイルしていただく。

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智恵子さんが日々の仕事の合間に作る人形。毎年、訪れる常連客が「新しいのが増えたね」と楽しみにしている。

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大きくなるもので直径25センチにもなるという晩白柚(ばんぺいゆ)。智恵子さんの愛情を受けてすくすく育つ。


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熊野古道の大雲取越出入口まで100メートル、小雲取越出入口まで1キロメートルの場所にある民宿百福は、一日二組限定の小さな宿だ。ここの女将がピンクの髪がファンキーな中澤智恵子さん。広島市から新宮市に移り、夫の秀昭さんの実家の民宿を手伝うようになったのが2004年のこと。

 

「熊野古道が世界遺産に認定されたから、民宿も忙しくなるって言ってね。そのために来ましたよ。あんまり接客業は得意ではないんですけどね」と智恵子さん。

 

料理は秀昭さんが担当し、夏の7〜10月のシーズンは熊野川の支流である赤木川で捕れるモクズガニや鮎、秋は山のキノコ、春は山菜と料理がおいしいと評判だ。部屋はもちろん、共同で使うお風呂場、洗面所までほこりひとつないのは、智恵子さんがこまめに掃除をしているから。

 

「やっぱり、わざわざ新宮まで来てくれた人たちには気持ちよく過ごしてほしいからね」。

 

花が大好きで、居間の花瓶に季節の花を生けるのが楽しみなのだそうだ。庭では大きな実のなる晩白柚(ばんぺいゆ)を育て、できた実を砂糖漬けにして宿泊客にふるまう。グレープフルーツのような苦みと酸味が砂糖の甘みと合わさって絶妙だ。

 

最近では熊野古道人気で海外からの客が増え、「言葉が通じなくて大変よ〜」と笑う。それでもおもてなしの想いは伝わっているようで、宿帳には「ゆっくり休めました。ありがとう」「居心地が良かったです。また来たい!」「今回の旅でご飯が一番、おいしかった」など日本語、英語のコメントがぎっしり。

 

熊野古道を訪れる人はぜひ立ち寄ってほしい、心がほっこりあたたまる場所だ。

民宿百福(ももふく)

住所:新宮市熊野川町西224-3
電話:0735-45-2016
営業時間:

チェックイン15:00/チェックアウト9:00
休業日:不定休

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新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
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その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
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そんな思いをぎゅっと詰め込みました。

女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。

「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。

新宮市魅力発信女子部 一同