地方の人々に出会う旅

新宮人 no.18

「仏画を描くことが何よりも幸せ」 ─ 新宮の女性日本画家

二村 洵光

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曼荼羅を描く洵光さん。描いている時は一心不乱、無になるという。

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アトリエには、洵光さんの作品が並ぶ。


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「私にとって絵はかけがえのないもの。むしろ信仰のようなものかもしれないですね」と日本画家の二村洵光さん。

 

小さい頃から父が趣味で描いていた美人画を見て、「いつか私も日本画を描いてみたい」と思っていたという。しかし、新宮には日本画を教える教室がなかった。45歳の時、誘われて日本画家が新宮の寺で絵画指導をする会に参加した。

 

「その日を境に、無我夢中で描いて、描いて、描いた。明けても暮れても絵でしたね」。

 

その時の講師だった二村竹庭さんに求婚され結婚。竹庭さんが洵光さんにだまって出展した彼女の作品に値が付き、洵光さんは絵描きとしてデビュー。モチーフは美人画や景色、花、童などだったが、密教図像や仏画に興味のあった竹庭さんが熊野曼荼羅を描いていた影響で、竹庭さんが亡くなってからは洵光さん自身も仏画を描くようになった。

 

「75歳でこんな幸せはないと思う。何もかも捨てて無になって絵に打ち込めますから。世の中には老後のことも含め、悩み始めるときりがないことばかり。それが絵を描くことで浄化されるというか。熊野という特別な場所に生まれ育って、仏画を描くようになったということは、天の思し召しでもあるんじゃないかと思うんですよ」。

 

絵が売れなくなったバブル期以降、生活が苦しくなると絵を買ってくれる人が突如現れるなど、不思議なことが多々あったという。

 

「一生懸命生きていると、救いの手が差し伸べられるんやと思う」。

 

洵光さんの元気のみなもとは絵を描くことに加え、人と出会うこと。アトリエにカフェを併設したのは人との交流の場になればということからだそうだ。

ギャラリーふたむら

住所:新宮市橋本1-10-12

電話:090-7355-7129

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新宮市魅力発信女子部 一同