新宮人 no.17
番留 京子
日本神話において、神武天皇の熊野国の道案内をしたとされるやたがらすをモチーフにした作品。
仕事道具の彫刻刀。彫る線によって、使用する刀が違う。
木彫りの作品。自然からインスパイアされた架空の動物たち。
東京の下町で育ち、高校生の頃に見たロートレックの版画に衝撃を受け、版画作家として生きることを決意した番留京子さん。やたがらすなどの動物や自然を版画で表現したダイナミックで鮮やかな作品は、一度見たら忘れられない余韻を心に残す。タイやインドネシア、中国、メキシコを訪ね創作活動をしていた番留さんが、熊野川町に移住したのは1992年のこと。
「奈良県の作家の友人から熊野川町の廃校になった小学校をアトリエとして借り、アーティストビレッジを作ろうと誘われたんです。学校をアトリエとして使えるなんて憧れでしたから、
当初は牛乳やパン、ハムが食べたくて仕方がなかったがそれもすぐに慣れた。番留さんの創作意欲をかきたてたのは、美しい熊野の山々や穏やかな日々の生活だ。
「川のせせらぎ、山のこだま、鳥の声、虫の声など、24時間癒やしのサウンドのCDがかかっているような状態。夜は真っ暗だけど、闇があるから月明かりがきれいなんです」。
友人が来るたびに、本宮から那智大社まで
「熊野古道は信仰の道、祈りの道ですから、単なる登山と違うんですよね。歩いていて気持ちがいいですよ。新しい作品の発想にも反映されます。ただ、最近はガイドの仕事が忙しくて作品作りに集中する時間がなかなか取れないのがつらいところです(笑)」。
熊野をテーマにした絵本も作ってみたいと話す番留さん。出来上がるのが楽しみだ。
「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
各地域に住まう人々をフィーチャーしたガイドブック、
Community Travel Guide(コミュニティトラベルガイド)
新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
Community Travel Guide
「新宮人」
は、書籍版コミュニティトラベルガイドの世界観を踏襲しながらも
「地域で働く、地域に住まう“女性”」で構成される
新宮市魅力発信女子部が「地域で活躍する魅力的な“女性”」に
フォーカスし、オンラインガイドブックを制作、発展させていく
プロジェクトです。
新宮人で紹介している女性たちは、新宮市魅力発信女子部のメンバーが
推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。
その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。
女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。
「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。
新宮市魅力発信女子部 一同