地方の人々に出会う旅

新宮人 no.16

漫画冊子で教えとゆかりの人物を分かりやすく伝える ─ 浄泉寺の女性僧侶

山口 淨華

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山口さんが描いた『漫画で読む高木顕明』。

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顕明師と親交のあった人物が記述した文章などの資料をもとに作成。


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「物心ついた時から祖父や父のようなお坊さんになりたかったんです」と話す、浄泉寺の僧侶、山口淨華さん。

 

「小さいころから父について檀家さんの家を訪れていました。僧侶になって、毎月、月命日で檀家さんの家を回るんですが、新宮中に家族がいて、顔を出させてもらっているような感じです。孫娘が来たかのように喜んでくださる方もいらっしゃいます」。

 

大学は祖父、父と同じ京都の大谷大学の真宗学科で学んだあと、東京の寺で数年修業し、新宮に戻った。2年前、父の出張中に急きょ通夜が入り、初めて一人でお経を読むことになって、“鈴棒(りんぼう)”を持つ手が震えたという。今ではすっかり慣れた様子だ。

 

浄泉寺は淨華さんで19代目だが、12代目の高木顕明師は、大逆事件に連座して死刑判決を受け、無期懲役に減刑された後、真宗大谷派から除籍されて獄中で自死した僧侶。

 

1996年に真宗大谷派から僧籍復帰の名誉回復がなされ、高木顕明の思想や行動に対してもっと世の中に知ってほしいと、淨華さんは『漫画で読む高木顕明』を2015年に自費出版。子どものころから手塚治虫などの漫画が好きで、一時は漫画家を目指したこともあるほど。物語は父の範之さんに監修をお願いし、絵も自分で手掛けた。

 

「顕明師は門徒の生活の窮状を知って社会の平等を訴えた人物。読んでいただいた方には“分かりやすかった“、“こんな人物がいたなんて知らなかった!”と感想をいただきました」。

 

次回は浄土真宗について、門徒さんに分かりやすく漫画で説明した冊子などを作れればと考えている。

 

「昔、進路について母に相談した時に、“僧侶もやって漫画も書けばいいんじゃない?”と言われたんですが、図らずもその通りになりました(笑)」。

浄泉寺

住所:新宮市大橋通4-1-6

電話:0735-21-6889

 

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新宮市魅力発信女子部 一同