新宮人 no.22
大畑 康子
左からレモンエクレア、水ようかん、チーズケーキ。(季節や食材、気分によって商品が変わる)
「新宮ではお母さんたちにフラダンスが人気なので」、ハワイグッズをいろいろ揃える。
樹脂を使ったレジンアクセサリーのワークショップも開催。販売も検討中だ。(写真は康子さんの作品)
店名のアンティヤスコの意味は「康子おばちゃん」。ハワイ在住の姉の息子たちが康子さんのことをそう呼ぶところから付けた。
ハワイの雑貨が並ぶ、手作りケーキがおいしい洋菓子店アンティヤスコ。オーナーパティシエの大畑康子さんは明るくておおらかで、まるでハイビスカスのような女性だ。店内でケーキやコーヒーを楽しむことができ、常連客の交流の場になっている。定休日にはセルフまつげエクステの付け方講座や、樹脂で作るレジンアクセサリーのワークショップなどを開催。女性が集まって楽しめる場所を提供している。
新宮で店をオープンすることになったのは、母のきこくさんがきっかけだった。両親が生まれ育ったのは新宮で大畑さんも生まれたのは新宮だ。しかし医師だった父の仕事の関係で引っ越しが多かった。紀の川市内の高校を卒業後、大阪の製菓学校に通い、卒業後は和歌山市や大阪市内のケーキショップで修業した。新宮にいた叔父が亡くなり、新宮に住んでいた母から叔父が使っていた建物で喫茶店かケーキ屋を一緒にしようと連絡があったのは2012年の夏のこと。
「新宮は、生まれただけで友達もいないし、“いやや〜”って電話を切ったんです。でも考えたら親孝行してきてないなぁと。親孝行のつもりで、“お母さん、やるわ”って電話をかけ直したら、“ほんま〜?! やった〜!”ってめっちゃ喜んでくれました」。
きこくさんは町中にオープン告知のビラを配るなど店のPR活動に励み、2013年6月27日にお店をオープン。その3カ月後、きこくさんが大病を患っていることが分かった。店を休んで看病するつもりだった康子さんを「店を閉めたら絶交するよ」と制し、12月に他界されるまでお店のことを応援してくれていたという。
「 “いつまでもくよくよしたらあかんで〜”という母の言葉を思い出しては、がんばらなきゃって思いますね」。
英語を教えていたきこくさんのかつての生徒さんが訪ねて来るなど、うれしいサプライズも含め、「いいお客さんばかりなんですよ!」と康子さん。ふるさとの良さを改めて実感している毎日だ。
「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
各地域に住まう人々をフィーチャーしたガイドブック、
Community Travel Guide(コミュニティトラベルガイド)
新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
Community Travel Guide
「新宮人」
は、書籍版コミュニティトラベルガイドの世界観を踏襲しながらも
「地域で働く、地域に住まう“女性”」で構成される
新宮市魅力発信女子部が「地域で活躍する魅力的な“女性”」に
フォーカスし、オンラインガイドブックを制作、発展させていく
プロジェクトです。
新宮人で紹介している女性たちは、新宮市魅力発信女子部のメンバーが
推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。
その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。
女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。
「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。
新宮市魅力発信女子部 一同