新宮人 no.5
ささびグループのおかあさんたち
地元篠尾で穫れたこんにゃくいも。年々収穫高が減っている。
茹でたこんにゃくいもを臼でつき、柔らかくする。
混ぜていくうちにプルプルと固まってくるから不思議!
こんにゃくを茹でるときは薪で窯を炊くことでまろやかな味わいになる。
型に入れて固めたこんにゃくを灰汁の入った鍋に入れて炊く。
20世帯が暮らす、熊野川町篠尾地区で戦前から作られてきた特産のこんにゃく。気温や土質がこんにゃくいもの生育に適しており、おいしいこんにゃくができることで知られている。
近年ではこんにゃくを作る家庭が減少し、1986年に地元住民で熊野川町生活研究友の会ささびグループを結成。後世に伝えていきたいと体験教室などを開催している。
毎年10月に、掘ったこんにゃくいもを干し、11月くらいから翌年3月くらいまで行われるこんにゃく作り。茹でて皮をむき、臼に入れてつぶすなど、できるまでには相応の手間暇が掛かる。
「こんにゃくいもは3年ものが一番、粘りがでてうまい」と代表の垣内金夫さん(写真右上)。ミキサーでさらに細かくして練り、一晩寝かせてカシノキとバベの灰汁を混ぜ、木製の型に入れて、炊き上げ、熱湯で殺菌して出来上がりだ。「臼でつぶしたりする力作業も多いから、男性の力は必要」と中村多加子さん(写真右下)。
最も難しいのは練る時に加えるお湯と灰汁の量だ。「おいもさんの様子を見て感覚でお湯を足していく。こんにゃくいもを同じ分量入れても水分が多くてしゃばしゃばになったり、逆に硬すぎたりと違ってくる」と下村真由美さん(写真左下)。
篠尾のこんにゃくは、酢味噌和えなど、特に刺身にして食べるとおいしい。
「みんなで一緒に作業して、お茶飲んだりする時間が楽しいね。あとはいいこんにゃくが炊けた時がうれしい」と垣内朋子さん(写真中央下)。
脈々と受け継がれてきた伝統的な作り方とお母さんたちの愛情がこもったこんにゃくは、一度食べる価値ありだ。1月の体験教室か、秋の「忠度まつり」の時にこんにゃくを味わうことができる。
「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
各地域に住まう人々をフィーチャーしたガイドブック、
Community Travel Guide(コミュニティトラベルガイド)
新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
Community Travel Guide
「新宮人」
は、書籍版コミュニティトラベルガイドの世界観を踏襲しながらも
「地域で働く、地域に住まう“女性”」で構成される
新宮市魅力発信女子部が「地域で活躍する魅力的な“女性”」に
フォーカスし、オンラインガイドブックを制作、発展させていく
プロジェクトです。
新宮人で紹介している女性たちは、新宮市魅力発信女子部のメンバーが
推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。
その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。
女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。
「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。
新宮市魅力発信女子部 一同