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40年もの歴史がある日本体育大学の団体スポーツ「集団行動」。列を乱さずに交差するなど、自由自在に形を変え美しい造形を披露することを目的にした一種の行進パフォーマンスだ。

2011年に行われた日本体育大学の実技発表会メンバーの一人だったのが、現在、近畿大学附属新宮高校に体育教師として務める、野田美奈子さん。長野県出身で、新宮へは就職を機に初めて訪れ、高校から海を見下ろすことのできる絶景のロケーションにびっくりしたという。

同校の体育祭では１〜３年の全男子生徒が集団行動を披露するのが定番となっているが、2012年からその指導にあたっている。赴任した最初の年はゼロから集団行動の構成を生徒たちに理解してもらわなくてはいけなかったため、新米教師だった野田さん自身、説明に苦労したと話す。

「生徒たちは一生懸命、取り組んでくれます。四方に人がいるので、歩幅を気を付けないと近くの人の足を踏んでしまったりしてしまう。相手のことを気遣う気持ちも大切なんです。練習では何度も同じことをやらされて、辛くて何のためにやっているんだろう、って思うんだけど、演技が決まった時のうれしさは一生忘れられません」。

体育祭の発表の場で、ピタッと演技が決まったときの会場の感動が「うおーっ」という歓声と共にうねりのように伝わってきて、演じる方も誇らしい達成感で満たされる。

「生徒たちが集団で動くことの難しさ、大切さを演技を通して感じて、これからの人生に生かされればうれしいですね」と野田さん。

体育祭は一般客でも見学することが可能なので、機会があればぜひ足を運んでみたい。