新宮人 no.20
住谷 美穂
めはり寿司用の高菜を漬ける。新鮮な高菜を使うのがポイント。
父の公文さんが選んだ鮭の切り身。昔ながらのしょっぱい塩鮭。
お弁当の松茸ご飯。なんともいえない良い香りが立ちこめる。
朝10時に並ぶ出来たてのお惣菜とお弁当。毎日100軒以上、市内の高齢者へお弁当も配達している。
店頭に並ぶのは、卯の花、焼き魚、イクラの醤油漬け、鳥の唐揚げ、ナスの煮浸し、里いもの煮物、めはり寿司、サンマ寿司、天ぷら、煮豆……。
たかやま商店は地元に根付いたお惣菜屋さん。鮮度にこだわった野菜や魚も販売しており、主婦の心強い味方だ。
オープンは1991年。もともと八百屋だったが、母の光子さんが残った野菜を惣菜にして出すようになり、それが飛ぶように売れ、今では惣菜が主要商品に。
「うちの惣菜はどこか田舎くさい家庭料理ばかりですね。それがうれしい、おいしいというお客さんたちが通ってくださいます」と三女の住谷美穂さん。
2014年の12月に母の光子さんが他界してから、店の顔として切り盛りしている。元は看護師だったが、息子が3歳のころ、ぜんそくの症状がひどくなり、「おっぱ(おんぶ)しながらできる仕事」を考えていたところ、自宅が忙しくなってきたので手伝うように。
「母は料理上手で、商売上手。めちゃくちゃ明るかった。仕事には厳しくて、私はダメ出しばっかりされていました」。
梅干しも、めはり寿司に使う高菜漬けもみんな手作りしていた母を見習って、美穂さんも仕込みには手間を掛ける。一人暮らしの方用に小パックの惣菜を充実させ、正月のおせち料理は単品で販売するなど、お客さんのニーズを考えた品揃えも支持されている理由。
魚を市場に買いに行くのは父の公文さんの担当だ。シビ(マグロ)の目利きで、店に並ぶとすぐに売れるそう。
「母がいなくなった今、家族はもちろん、パートのおばちゃんたちなど従業員の皆さんに支えられています」と美穂さん。
「今でもたまに、母が店に座ってダメ出ししているような気がするんですよね(笑)」。
「地域の魅力的な人々に会いに行く」をテーマに、
各地域に住まう人々をフィーチャーしたガイドブック、
Community Travel Guide(コミュニティトラベルガイド)
新宮の魅力的な“女性”に会いに行く
Community Travel Guide
「新宮人」
は、書籍版コミュニティトラベルガイドの世界観を踏襲しながらも
「地域で働く、地域に住まう“女性”」で構成される
新宮市魅力発信女子部が「地域で活躍する魅力的な“女性”」に
フォーカスし、オンラインガイドブックを制作、発展させていく
プロジェクトです。
新宮人で紹介している女性たちは、新宮市魅力発信女子部のメンバーが
推薦した約200人から、魅力的な女性を選抜し掲載しています。
その女性たちの暮らしや働き、語らいから、
新宮のことを知ってもらいたい
新宮にお越しいただきたい
そんな思いをぎゅっと詰め込みました。
女性の活躍に注目が集まる昨今、熊野信仰の歴史息づく
和歌山県新宮市を舞台に、ほかの地域にはない特色を
前面に打ち出したコンテンツを、市民、行政職員が
一体となって創造していきます。
「新宮人」プロジェクトのこれからに、ぜひご注目ください。
新宮市魅力発信女子部 一同