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神戸市職員が語る!北区で農家になる3大メリット

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1.小さく始めやすい

 

神戸市は大まかに言えば1/3が都市、1/3が農村、1/3が山地で構成されています。北区は農村部にあたりますが、車で30分程度で都市部まで行くこともできます。農村部に住んでも医療機関や生活利便施設が遠く不便ということはありません。また「通い農業がしやすい」環境であるともいえます。地縁のない人の場合、いきなり畑と家をセットで見つけるのは容易なことではありません。事実、神戸で就農したばかりの人の中には都市部に住宅を持ちつつ、そこから通って農業をする方も少なくありません。また、北区の中にも藤原台などのニュータウンがあるので、そこに家を持てば、都市部から通うよりもさらに畑まで近くなります。今の家から通う→北区のニュータウンに住んで通う→畑の近くに家を見つけて引っ越す、というように徐々に環境をステップアップさせていくのも良いかもしれません。

 
 

2.どんな作物でもつくりやすい

 

神戸は瀬戸内海に面しているため、雨が適度に降り、気温は基本的に温暖。栽培しにくいものはほとんどありません。また、なかでも北区は山地が多く、昼と夜の寒暖差が激しいため、糖度が高く旨みの詰まったおいしい作物が実ります。これから農業を始める人にとっては、まずいろいろな作物にチャレンジして、それから自分に合うものを見つけていくことができる環境といえます。

 
 

3.生産者と消費者が交流しやすい

 

神戸市では、地産地消を進めるため、2015年の春から三宮駅前の公園「東遊園地」にて、ファーマーズマーケットを開催しています。北区や西区など市内の農家さんが多数出店。子ども連れの家族や外国人の方など、都市部に暮らす多くの方が訪れ、農家の方との会話を楽しみながら新鮮な野菜が買えると好評です。今後はさらに、レストランのシェフや加工業者の方を巻き込み、生活者と消費者をつなぐ新たな機会を増やしていきたい考えです。

 
 

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【新規就農ガイド】
北区で新規就農を目指す人が知っておきたい情報について、神戸市経済観光局農政部の山田 隆大さんと吉森 有梨さんにお話を聞きました。(監修=神戸市経済観光局農政部/写真提供=EAT LOCAL KOBE)(②③の記事は、書籍版『農す神戸』でお読みいただけます。)
 ① 神戸市職員が語る!北区で農家になる3大メリット
 ② 何から始めればいいの?北区就農フロー
 ③ もっと詳しく!農家になるためのQ&A

住宅エリアMAP

住宅

 

里山エリア

茅葺き屋根の古民家はこのエリア全域に残っている。なかでも特に多いのが淡河町や山田町。茅葺きにこだわらなければ、古民家は里山エリア全域に数多く現存する。畑付き・田んぼ付きの物件にも出会うことができるかもしれない。このエリアのほとんどが市街化調整区域に指定されているため、新しく家を建てることは難しい。古民家の価格や条件は一軒一軒まったく異なり、持ち主の方と相談して決めていくことが多い。

 

鈴蘭台エリア

山間の住宅街。新築一戸建てがメインだが、団地や賃貸マンション・アパートもある。一部別荘地エリアには、特徴的なモダニズム建築も見られる。北区の中では比較的物件が見つかりやすい地域。団地では単身世帯向けから子育て世帯向けまで多様な間取りがある。三宮まで30分と非常にアクセスの良い地域でありながら、農地までも車で15分程度。場所によっては自転車でも通うことが可能(でも、坂がきつい!)。

 

北神エリア

新興住宅が並ぶ子育て世帯中心の2大ニュータウン、上津台・鹿の子台を中心とした地域。農家の子ども世帯が自分の家庭を持ち、ここに移り住むパターンも多い。都市部への交通の便がよく、三田まで15分、大阪まで1時間。地価が安いので、庭付き新築一戸建てを希望する人は、このエリアがおすすめ。

 

有馬・有野エリア

大規模な団地、一戸建て、農地や古民家が混在する地域。定年前後の親世帯と子育て中の子世帯が、同じ団地に暮らしているケースも多い。この地域の魅力は、やはり有馬温泉までの近さ。中心地から車で15分なので、仕事帰りにふらっと立ち寄ることもできるかも。別荘地として家を持つ人も多く、温泉付きのマンションも!

 

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【北区での物件探し】

北区に暮らしたい!と思っても、240㎢の広さを誇る北区は、地域によって住宅事情もさまざまです。条例や法令等で新しく家を建てられないエリアも多い。さらに地縁がない場合、どうすれば理想の住まいに出会うことができるのでしょうか?(②③の記事は、書籍版『農す神戸』でお読みいただけます)
① 住宅エリアMAP
② 理想の住まいを見つけるための5カ条!
③ 神戸市農村定住コーディネーター「淡河ワッショイ」にお話を聞きました!

農の国の秋祭り 〜淡河八幡神社 秋季例大祭〜

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北区は日本の古き良き伝統を感じさせるお祭りがたくさん行われているのも魅力です。編集部スタッフが淡河町の秋祭りを観に行ってきました!

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青年たちは「チョーサ!」とかけ声をあげ、太鼓と呼ばれる山車(だし)をかく。この地域のかけ声は「ワッショイ!」ではなく「チョーサ!」であり、また「かつぐ」ことを「かく」という。山車の上には小学生の少年たちが乗り太鼓を叩く。中学生の女子数人は、白と赤の装束を身にまとい鈴を鳴らしながら舞を踊る。女性たちは、仕立ての良い着物をきれいに着て子どもたちの晴れ姿を見守っている。年配の方は山車の音頭を取ったり、行事全体の世話をする。参道には赤ん坊を抱く若いお母さんから、杖をついたお年寄りまでがにぎわう。この祭りは、老いも若きもみんなが共にいて、地域の絆を感じさせる。

 

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神様に奉納する舞は地元の中学生たちが舞う。

 
 

今回観にでかけた北区淡河町の、淡河八幡神社秋季例大祭はまさに農村のお祭りだ。こうした地域では1年のサイクルが農耕とともに決められ、神社の祭りにもそれが反映されている。まず2月。今年も良い収穫が得られますようにと祈年祭。そして6月の田植えが終わって暑い夏を乗り切りましょうと7月の夏祭り。10月、いよいよ稲穂が実り無事収穫ができますようにと祈願するのが、今回訪れた秋季例大祭。そしてその秋に穫れたお米や野菜を神様に捧げつつ、感謝するのが11月23日の新嘗祭(にいなめさい)だ。

 

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休憩中に屋台でアイスを買って食べる子どもたち。

 
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代々受け継いだ着物を着る女性たち。

 
 

秋祭りが始まるとき、挨拶の方は「いやさかー」という独特のかけ声で唱和していた。宮司さんにお尋ねしたところ、「共に、一緒に」という意味であるとのこと。「共に栄えていきましょう。助けあっていきましょう。健康で一緒にがんばっていきましょう」。めでたい神事のときに使われるのだという。今回は一人で観に来たが、次はこの田舎の素朴な秋祭りをうちの息子にも見せてやりたいと思った。「神様がおられる神輿は地元の中学生たちがかくことになっています。けれど子ども神輿というのが別にあって、これは地域の人でなくても、どなたでもかいていただきたい。どうぞどうぞ、田舎のお祭りを体験してください。『共に』祝いましょう」。

 

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天狗の格好をして祭の行列の先導をする猿田彦。

 
 

( 2015 年 10 月 4 日に取材 )

 

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書籍版『農す神戸』では、他にもこんな体験レポートをお読みいただけます。
● 都会の人が農家を訪ねる FARM VISIT
農家のもとを消費者が訪れ、作物がどんな風につくられているのかを直に見て学ばせてもらう FARM VISIT。神戸市内の企業に勤める男女が、北区の有機農家・芝 卓哉さんの畑を訪ねました。
● 家族で秋の里山体験 〜あいな里山まつり〜
山が黄色くなり始めた10 月最後の日曜日、北区山田町にある、あいな里山公園で行われた「あいな里山まつり」。1年前、東京から神戸に移住してきた安田さん一家が体験してきました!
● みんなでのこす 1300 年の歴史
有間神社が西宮から有野町へ場所を移してから、今年(2016年)で1300年。その長い歴史を祝うお祭りに行ってきました!
● 茅葺き体験ワークショップ
神戸市中央区で働く30代のご夫婦に、淡河かやぶき屋根保存会「くさかんむり」の活動を実際に体験してもらいました!

大変だからこそ、一生挑んでいける 茅葺きが普通の風景になるといい

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どうしても茅葺きにたずさわる仕事がしたい、と茅葺き民家が数多く残る神戸・北区へ移住。国内でも数少ない茅葺き職人のもとで、古民家の茅葺き作業や茅葺き文化を伝える取り組みに挑み、やりがいに満ちた修行の日々を過ごしている。
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茅葺き職人になる、という決意を胸に

 

港町のイメージが強い神戸。けれど、六甲山を越えた北区には豊かな田園風景が広がり、約700棟(平成27年度調査)の茅葺き民家が残っている。かつて、茅葺き屋根の民家は農村で数多く見られ、その土地に生息しているススキやヨシ、イナワラなどが材料に使われていた。茅葺き屋根は定期的に取り替えたり、継続的に手入れをする必要があるため、屋根を葺き替え合う共同作業が村の中で普通に行われていた時代に活躍していたのが、茅葺き職人。阿部さんは茅葺き職人になる夢をかなえるために、東京から北区へ移り住んだ。

 
 

震災を機に、東京から石巻、神戸へ

 

阿部さんにとっての原風景は、新潟の祖父の家。美しい景色の中、農業にいそしむ姿に影響を受け、定年後は自分も自給自足の生活がしたいと考えるように。農業が身近にあった環境の中、茅葺きにもいつの間にか興味を持っていたものの、約16年間は関東や上海で茅葺きとは無縁のサラリーマン生活を送っていた。ひとつのきっかけとなったのが、2011年に発生した東日本大震災。ボランティアとして宮城県石巻市へ行き、茅葺きを手がける会社があることを知った。「復興支援に関わりながら、茅葺きの技術も学べれば」と阿部さんは手伝いを申し出たものの、実際は津波で流れた何万枚もの瓦を洗い流す作業など、茅葺きからは遠い毎日。茅葺きに関わりたい想いがふくらむ中、神戸市北区のホームページとの出会いが最大の転機となった。「茅葺きといえば京都府南丹市美山町が有名なんですが、北区には750棟以上の茅葺きが今もあると記してあって」大きな衝撃を受けた阿部さん。「田園もまちもある神戸へ行こう。何度か行ったこともあるし」と車1台に荷物を詰め込み、2012年に移住した。

 
 

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1. 機械が使えないときは、茅を放り投げて屋根の上へ。 2. 秋の「茅葺き屋根とふれあう月間」に向けたイベントの打ち合わせ、有野町の古民家カフェ「スローライフ」にて。 3. 神戸に茅場を作る取り組みがスタート。ここは花山中尾台住宅地。 4. 茅葺きの魅力を伝えるワークショップ。参加した子どもは真剣そのもの。

 
 

すべきことが多いから、一生ものの仕事に

 

北区役所まちづくり推進課に茅葺きの仕事について相談したところ、京都・美山の茅葺き職人、塩澤実さんを紹介してもらい、塩澤さんの唯一の弟子で独立したばかりの相良育弥さんのもとで働き始めることになった。「相良さんは当時32歳、僕より若くて技術や感性がすばらしかった。彼の下で腕を磨きたいと思った」阿部さんは、まず「てったい」に。てったいとは、「お手伝い」のことで、材料をカットして渡したり、道具をそろえたり、茅葺き職人が屋根の上での作業に集中できるよう補佐をする役。体力、技術、知識、経験の他に持久力や精神力も必要で、数ヵ月で辞めてしまう人も少なくない。
担い手も材料も少なく、これからの時代には普及しにくいと思われやすい茅葺きの世界。けれど阿部さんは「課題が明確だから取り組みやすいし、一生挑んでいける。一人前になるまで5年ほどかかるけれど、80歳の職人もおられるし、後進の育成など役割は数多い」と明るく未来を見つめる。茅葺き職人の見習いである、丁稚としての修行が本格的にスタートしたのは2015年の春。「お前ん家、茅葺き?という会話が珍しいものではなくなるくらい、茅葺きが身近になるといい」と語る阿部さんの挑戦はまだまだ始まったばかりである。

 
 

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書籍版『農す神戸』では、他にもこんな記事をお読みいただけます。
 ● 宮司 足利國紀さん
 「今日の子どもの笑顔は 祭りがなくなると見られなくなるんだよ」
 ● 芸妓 一晴さん・一まりさん・一琴さん
 「芸妓の世界に 完璧というのはないんです」
 ● アートディレクター 安福友祐さん
 「暮らすように働き、働くように暮らす 「田舎のちょっと便利なおっさん」になりたい」 他

淡河かやぶき屋根保存会「くさかんむり」

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阿部さんの所属する、かやぶき屋根保存会。茅葺き古民家が数多く残る神戸市北区淡河町を拠点に、茅葺き屋根の魅力を発信していく活動を展開。茅葺き屋根という「じいちゃんばあちゃんの知恵袋」の力を借りて、人と自然、都市と農村、昔と今を見つめ直し、新たな関係の創造をめざしています。
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約700棟(平成27年度調査)もの伝統的な茅葺き民家が現存する北区。豊かな田園風景が広がる淡河町を拠点に、屋根の葺き替え作業や茅葺きを維持する仕組みづくりを行い、茅葺き文化の魅力を伝えているのが「淡河かやぶき屋根保存会 くさかんむり」である。
かつて、茅葺きは農業と共にあり、刈り取った茅が乾燥する冬場に、複数の農家がお互いの家の屋根を葺き替え合うのが日常だった。茅が傷んだら取り替え、古くなった茅を肥料として土に還す…自然の恵みを無理なく活用していくサイクルもあった。現在は農家の減少や高齢化が進み、お金も手間もかかる茅葺きの維持は困難に。茅葺き職人は減少し、良質な茅は年々手に入りにくくなっている。
そんな中、「くさかんむり」が力を入れているのが、茅で基地を作ったり、茅場で茅刈りを行うなど、茅葺きの魅力を子どもたちに伝えるワークショップの開催だ。さらに茅葺き古民家の見学ツアーや茅葺き作業の見学会、茅場での茅刈り体験など数々のイベントを仕掛けるほか、海外の茅葺き事情の視察や技術交流なども実践。全国各地での茅葺き屋根の葺き替え作業や茅場づくりなど、茅葺き職人チームとしての軸となる活動を越えたフィールドは実に幅広い。
「今、茅葺きの文化や風景を守るために必要なのは、まず知ってもらうこと。気軽に参加できるイベントで、子どもたちに楽しい!と感じてもらうことから若者や周囲の大人に関心の輪が広がっていくといい。屋根の材料を選ぶ時に茅葺きが選ばれるとか、茅葺きの風景が普通になるといいですよね」と語る、代表の相良育弥さんは2015年11月に神戸市文化奨励賞を受賞。自然と人、農と人、人と人など、風土やさまざまな関わり合いを通じて受け継がれてきた茅葺き文化を伝え、根付かせていく「くさかんむり」に寄せられる期待はますます熱を帯びている。

 

150919阿部洋平さん0172_三木山森林公園WS_参加者と集合写真

2014年から始まった「親子で楽しむちびっこ秘密基地づくり」兵庫県立三木山森林公園にて。

 
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葺いた茅を切りそろえて整える屋根ばさみなど、作業で使う道具一式。

 
150919阿部洋平さん0121_三木山森林公園WS_職人の技

茅葺き職人は、子どもたちに本物の技を見せる。

 
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代表の相良育弥さん、イベントでは笑顔を絶やさない。

 
 

農す神戸 -NORTH KOBE-

山の色の移ろいに四季を感じ、
作り手の顔が見える野菜を食べ、
地域の行事や風習を大切にする。
 
都市での生活は充実しているけれど、
本当はもっと「農」を感じながら暮らしたい。
そんな人に、神戸市北区で暮らす、という選択を提案します。
 
この本は、「神戸で農す」ためのガイドです。
自然と四季の恵みとともに、豊かな時間を過ごせる里山。
多様な人・モノ・文化と出会い、刺激を得られる都市。
この両方を行き来し、自分にちょうどいい暮らしをつくっている
13組の暮らしを紹介します。
 
里山と大都市が隣接する、ここ、神戸市北区なら
あなたが望んでいた、でもあきらめていた暮らしを
実らせることができるかもしれません。

 
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